お箏弾き方 → お箏奏法ひとりごと ~ スクイ爪 引き色
スクイ爪 scoop by pick
親指の箏爪で、まさにスプーンですくう様に弦を下からすくい上げる技法
ただし、すくい上げるだけでなく下げる動作も合わせた一連の往復動作をスクイ爪といいます。
本来の爪音の音色に対して爪の側面が弦を通過する音色が特徴的。
爪の側面から生じる噪音を音色の個性として
虫の音、水の流れとして使われている場合があります。
三味線との合奏ではスクイ撥という三味線の技法と良く馴染みます。
スクイ爪を使っている曲は、地歌箏曲手事物『夕顔』『八重衣』『笹の露』など…ほぼ全ての曲に使われています。もはや基本奏法といっても過言ではありません!
宮城道雄作曲『水の変態』霰の手事(後半)、沢井忠夫作曲『3つのパラフレーズ』二章の第四段はほとんどスクイ爪で構成されています。
引き色
弦を弾いた直後の余韻の音高を若干下げる。仕組みは、箏柱の左側の弦を左手で掴み、右側に引き寄せる事で弦が弛んだ状態になり音高が下がる。
この技法は箏の弦が指でつかみやすい絹だった事で効果が明らかでした。
が、現在使用されているテトロンの弦では、指でつかんでもツルツルしていて掴みにくいため、絃を緩ませることが割と難しいし、演奏環境が室内からホールに変わり聴衆との距離が遠くなった近代では〔肩身の狭い〕技法かも。
ただ、そんな『絶滅危惧技法』の生き残りはマイクの活用カギですね。
初心者の定番「六段の調べ」。この曲の中の初段から、出てきます「ヒ」。
初心者がやってしまう「あるある」は、7の絃を緩ませなければいけないのに、音がかわらないなあ、と見てみると、左手でつかんでいるのが、8の絃。。。
しかしお箏では「六段で始まり、六段で終わる」という曲ですから。そしてお箏ならではの奏法ですから、伝えていきたい奏法ですね。
[KORORIN-SHANN & Tone]
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